アートや福祉はどちらも作られた制度の中で実践されます。とりわけ福祉においては行政による制度や社会的ルールに左右されることがありますが、こうした制度を解すものとして「建築」の可能性を考えます。これまで福祉と関係がある設計を手掛けてきたアトリエ・ワンの塚本由晴氏をゲストに招いて、建築と制度や福祉の問題について議論します。アトリエ・ワン建築の実践を紹介しながら、建築はルールやシステムといった硬い制度に対して何かできるのか、建築からどういった視点を学べるかを考えます。

講師

塚本由晴(建築家/博士(工学)/アトリエ・ワン共同代表/東京工業大学大学院教授)

1965年神奈川県生まれ。東京工業大学大学院博士過程修了。1992年、貝島桃代氏とともにアトリエ・ワン設立。「Museum of Together/ミュージアム・オブ・トゥギャザー」(2017)では、「どんな人にも開かれたアクセシブルな美術館」をテーマに、あらゆる人が過ごしやすい空間のあり方について、障害のある当事者とともに議論・検証し、会場構成を手がけた。近年参加した展覧会および作品は、「Chigi House」(the Maison de la Culture du Japon _ Paris、フランス、2016年)、「The Timber Network」(第15回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展、イタリア、2016年)、「ここに棲む - 地域社会へのまなざし」展(アーツ前橋、2015年)、「佐潟なりわい観測舎」(水と土の芸術祭、新潟、2015年)などがある。

ファシリテーター

ロジャー・マクドナルド(MADプログラム・ディレクター/AIT 副ディレクタ―)

東京生まれ。イギリスで教育を受ける。学士では、国際政治学。修士では、神秘宗教学(禅やサイケデリック文化研究)。博士号では、『アウトサイダー・アート』(1972年)の執筆者ロジャー・カーディナルに師事し美術史を学ぶ。1998年より、インディペンデント・キュレーターとして活動。「横浜トリエンナーレ2001」アシスタント・キュレーター、第一回「シンガポール・ビエンナーレ 2006」キュレーターを務める。2003年より国内外の美術大学にて非常勤講師として教鞭をとる。長野県佐久市に移住後、2013年に実験的なハウスミュージアム「フェンバーガーハウス」をオープン、館長を務める。また、国内初の英国式「チャトニー」(チャツネ)を生産・販売している。興味は美術史、絵画、変性意識状態、オーディオ鑑賞、踊り、山。AIT設立メンバーの一人。https://www.fenbergerhouse.com
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レクチャータイトル:脱施設型建築の実践


日時:11月8日(木)19:00-21:00

場所:AITルーム(代官山)

定員:25 名

講師:塚本由晴(建築家/博士(工学)/アトリエ・ワン共同代表/東京工業大学大学院教授)

受講料:¥3,900(税別)

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Art & Culture TRIPS

 4月20日(土) 14:00-18:00(予定)

ナビゲーター:AITスタッフ
ゲスト:和佐野有紀(PROJECT501ディレクター / 耳鼻咽喉科医)
訪問先:PROJECT501、アクセンチュア株式会社、アーティスト・スタジオ
定員:12名 *最小催行人数:7名
料金:¥7,500(税別)*コース生 ¥2,000引

本ツアーでは、普段はなかなかアクセスできない企業に展示されている作品やアーティストの作品が生まれるスタジオなどを巡り、じっくり時間をかけて様々な角度からアート作品を鑑賞します。

Art & Culture TRIPS

 7月19日(金)-21日(日) 

ナビゲーター:AITスタッフ
ゲスト:向谷地宣明(MCMedian代表取締役 / NPO法人BASE代表理事)、浦河べてるの家関係者ほか
訪問先:「第27回べてるまつり in 浦河」(浦河町総合文化会館)ほか
定員:20名 *最小催行人数:14名
※ 早期「お問合せ」割引 / MAD生割引あり

北海道浦河町にある、統合失調症やうつなどの精神疾患を経験した当事者を中心とするコミュニティ「浦河べてるの家」が1年に一度開催するユニークなお祭り「べてるまつり」を訪問します。

Art & Culture TRIPS

 10月26日(土) 8:30-19:00(予定)

ナビゲーター:AITスタッフ
ゲスト:山根一晃、佐塚真啓、永畑智大
訪問先:Super Open Studio 2019(S.O.S 2019)、国立奥多摩美術館
定員:25名 *最小催行人数:15名
料金:¥16,000(税別)*コース生 ¥2,000引

20軒を超えるスタジオと、その所属アーティスト約120名からなる「Super Open Studio 2019」や、制作スタジオを美術館に見立てプロジェクト活動を行っている「国立奥多摩美術館」を巡ります。

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