※本コースに含まれる以下のレクチャーは、個別に購入することができます。
もう一つの美術史:モンテ・ヴェリタの実験コミューン - モンテ・ヴェリタの実験コミューン -
日時:4月12日(木)19:00-21:00 場所:AITルーム(代官山)
「アートは人間の生き方や精神をもっと豊かにする道だ」というアプローチは、すでに100年以上前から存在した考え方です。こうした実験的モデルを実践に移した、非常にユニークな場所がヨーロッパの中心にあります。それが「モンテ・ヴェリタ」という、もうひとつの生き方(オルタナティヴ・ライフスタイル)の村です。20世紀初頭、ここに多くの思想家やアーティスト、音楽家、ダンサーが集まり、当時の社会と違う生き方を実践しました。コミューンの中で行われたアートやダンスの実験的な試みを見ながら、近代性に対する疑問とそこから生まれたもうひとつの生き方、生きることとアートの関係性を考えていきます。
講師
杉田敦(美術批評/art&riverbankディレクター/女子美術大学教授)
ファシリテーター
ロジャー・マクドナルド(MADプログラム・ディレクター/AIT 副ディレクタ―)
アートの「外」とは? - 「アウトサイド」から読み解く、アール・ブリュットとアウトサイダー・アート入門 -
日時:4月26日(木)19:00-21:00 場所:AITルーム(代官山)
最近よく耳にする「アール・ブリュット」や「アウトサイダー・アート」。いわゆる「アート」とどのように違うのでしょうか。このレクチャーでは歴史をひも解きながら、アール・ブリュットやアウトサイダー・アートがどのように発展してきたかを見ていきます。1972年に著書『アウトサイダー・アート』で、ジャン・デュビュッフェの「アール・ブリュット」を紹介しつつ、その解釈を拡張したロジャー・カーディナルは、講師ロジャー・マクドナルドの恩師でもあります。その親密な関係性から生まれた深い考察を元に、アートの「外(アウトサイド)」について考えていきます。 レポートはこちら>>(Up date on 5/11)
講師
ロジャー・マクドナルド(MADプログラム・ディレクター/AIT 副ディレクタ―)
日本での「アール・ブリュット」受容とその展開
日時:5月10日(木)19:00-21:00 場所:AITルーム(代官山)
前回(4/26)のアール・ブリュットとアウトサイダー・アート入門に続く、日本における「アール・ブリュット」受容について学ぶレクチャー。ヨーロッパの「アール・ブリュット」や「アウトサイダー・アート」という概念がどのような形で日本に紹介され、発展してきたのかを学んでいきます。時代によって「アール・ブリュット」や「アウトサイダー・アート」という言葉の使われ方が変化してきましたが、それを辿ることによって日本独自の歴史が浮かび上がります。先駆的な日本の「アール・ブリュット」展、障害者アートと福祉の現場など、過去から遡り現在の傾向までを見ていきます。
講師
保坂健二朗(東京国立近代美術館主任研究員)
Photo by Keizo Kioku
ファシリテーター
ロジャー・マクドナルド(MADプログラム・ディレクター/AIT 副ディレクタ―)
マイクロ・ミュージアムとこれからのアート - みずのき美術館とフェンバーガーハウスの実践から考える -
日時:5月24日(木)19:00-21:00 場所:AITルーム(代官山)
美術館は社会の中でどのような場所であるべきなのでしょうか?ヒーリングの要素を持ち、消費活動や個人主義に対抗する場所として考えられるのでしょうか?このセッションでは2つの小さな美術館の活動を紹介し、そのポテンシャルについて話していきます。福祉とアートの文脈から新しい試みを打ち出しているみずのき美術館キュレーターの奥山理子氏と、長野県の山の中で滞在できる体験型美術館フェンバーガーハウスを運営するロジャー・マクドナルドの対談です。これからの美術館の役割や社会的意義、福祉やウェルビーイングの観点からどう美術館を作っていけるのか、マイクロ美術館の運営、大都市ではない場所で活動することの意義を探ります。
講師
奥山理子(みずのき美術館キュレーター/アーツカウンシル東京「TURN」コーディネーター)
ファシリテーター
ロジャー・マクドナルド(MADプログラム・ディレクター/AIT 副ディレクタ―)
「ウェルビーイング」の視点から見る美術史 - イコン、曼荼羅、禅、ヒッピー -
日時:6月7日(木)19:00-21:00 場所:AITルーム(代官山)
「ウェルビーイング(well-being)」とは、個人の権利や自己実現が保障され、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念です。ウェルビーイングの視点から考えると、どのような美術史が見えてくるでしょうか。普段美術史には登場しないアートを実験的につなげていき、もうひとつのアートの歴史について考えます。古い宗教芸術の役割、アートが道具として機能する祈りや修行の世界、インドや密教におけるアートの力、人の生活を精神的に豊かにするためのアートの実験、民芸、カウンターカルチャーやヒッピーが考えたアートの機能に迫ります。
講師
ロジャー・マクドナルド(MADプログラム・ディレクター/AIT 副ディレクタ―)
拡張する地平線 - 社会と関わるアートから、全てと関わるアートへ -
日時:6月21日(木)19:00-21:00 場所:AITルーム(代官山)
現代アートの歴史は、社会とアートがどう関係を結べるのか?という実験の歴史でもあります。中でも、特定の社会問題に対してクリエイティブなアプローチが用いられる作品やプロジェクトは「ソーシャリー・エンゲイジド・アート(SociallyEngagedArt)」と呼ばれます。社会と関わるアートの研究と実践を重ねてきたアーティストの森弘治氏をゲストに招いて、事例を紹介しながらアートと社会の関わりの可能性を議論していきます。社会に関わるアートの国内外の事例、アートと社会実践(日々の実践)、アートが生活や社会システムに変化を起こすことが可能なのかについて考えます。