※本コースに含まれる以下のレクチャーは、個別に購入することができます。
つくる衝動、素材との格闘 - アウトサイダー・アート、ピカソ、アーツ・アンド・クラフツ運動 -
日時:4月11日(水)19:00-21:00 場所:AITルーム(代官山)
「何かをつくる衝動」という側面からアートを考えます。アートの歴史は人間と物質の関係の歴史でもあります。実験を重ねて、アーティストは新しい関係を探り、作品にしてきました。このレクチャーではまずつくる衝動をストレートに表す「アウトサイダー・アート」から始まり、素材の実験的精神を追っていきます。アウトサイダー・アートとは何か、なぜ人間はアートをつくるのか、工芸とアートの関係、パブロ・ピカソと物質の実験から、現代アートにつながる根源的なアートの欲求について考えていきます。
アートの価値を決めるのは誰か - デュシャン、ダダ、コンセプチュアル・アート -
日時:4月25日(水)19:00-21:00 場所:AITルーム(代官山)
アートという行為や作品の価値は、アートを支える様々なインフラによって左右されます。特に20世紀のアートの価値は、美術館と密接に関係しています。そしてアート・マーケットというもうひとつのシステムも、この時代から大きく関わってきました。アートは物質や素材の価値から拡張され、アーティストの考えや社会に対する批判もアートの価値とされています。マルセル・デュシャンの革命的作品のインパクト、美術館が決めるアートの価値、ダダの反抗精神、コンセプチュアル・アートはなぜアートなのかについて、考えていきます。
イメージの爆発 - 1960年代のニューメディア、サイケデリック、フルクサス、ディスコ -
日時:5月9日(水)19:00-21:00 場所:AITルーム(代官山)
戦後から1960年代にかけて、アートの表現方法や価値観は大きく揺れ動きました。社会の変化も反映しながら、アートは「爆発」的に新たな可能性に向かっていったのです。特に、新しいメディアや文化の誕生によってアートの社会的役割や存在意義がめまぐるしく変わりました。60年代のカウンターカルチャー、実験映像とビデオアート、フルクサスのユーモア、ギャラリーとしての「ディスコ」などを見ていきます。
批評するアート - フェミニズム、シャーマン、アプロプリエーション、ポスト3.11 -
日時:5月23日(水)19:00-21:00 場所:AITルーム(代官山)
20世紀のアートは、社会に対する批評的な役割をひとつの使命としてきました。そこにはアートの理論だけではなく、哲学や社会学という思想が大きく影響しています。ジェンダーや人権の問題、作品の市場価値を担保するオリジナルの概念や大量生産社会に対してのアートのスタンスを考えていきます。 フェミニズムとアート、一点物としての作品に挑戦する写真家たち、アンディ・ウォーホル、ポップアートのレガシー、日本における3.11以降のアートの動きまでを追っていきます。
拡張するモダン - グローバリゼーション、ドクメンタ、ドキュメンタリー、記憶 -
日時:6月6日(水)19:00-21:00 場所:AITルーム(代官山)
私たちはよく「モダンアート」という言葉を使います。ここでいう「モダン」は非常に狭い地理感覚や価値観を指しているかもしれません。現代アートの中ではこの「モダン」を大きく考え直す動きもあり、様々な国や地域、時間軸や価値観によって変化するものとして展開してきました。植民地主義や戦争という思想や事象がどうアートに反映されてきたのかを考えていきます。 グローバリゼーション、ドクメンタと西洋の拡張、ドキュメンタリー形式の作品、記憶がキーワードになります。
タイムマシーン - 過去と現在が交錯するキュレーションと蒐集 -
日時:6月20日(水)19:00-21:00 場所:AITルーム(代官山)
21世紀の特徴は「いつでも、どこでも」という言葉で表せるかもしれません。テクノロジーによって時間の感覚や空間の経験が大きく変化してきました。もともとアートにはこの横断的な側面が備わっていましたが、変化の激しい現代においてはそのあり方も変わろうとしています。特にキュレーターやアーティストは様々な異なる物やアイディアを結んでいくことで、新しい歴史や意味をつくっています。このような時代だからこそ無視されてきたアーティストやアイディアを、いま、もう一度考え直す価値があるでしょう。 「ミックス」という価値、アートを横断的に見ること、キュレーションのこれから、コレクターの美術史について考えていきます。