※本コースに含まれる以下のレクチャーは、個別に購入することができます。
キュレーションの起源 - 洞窟、驚異の部屋、プライベート美術館 -
日時:9月5日(水)19:00-21:00 場所:AITルーム(代官山)
キュレーションという行為は、非常に親密な空間から生まれると言えるでしょう。珍しい物や神殿に捧げる物などを陳列したプライベートな小さな部屋「キャビネット・オブ・キュリオシティーズ(CabinetofCuriosities/驚異の部屋)」は、現在の博物館・美術館の原型とされています。ある意味でこれは「モダン」の美術館の誕生以前の話でもあり、現代の大きく発展したアート体験に新しいヒントや見方を与えるかもしれません。洞窟とアートの始まり、プライベートの美術館、物を集める主体性と関係性、蒐集する衝動について考えていきます。
展覧会を面白くするスパイス - 作品やコンセプトだけではない、展覧会を構成する様々な要素 -
日時:10月10日(水)19:00-21:00 場所:AITルーム(代官山)
展覧会はどうやって作られているのでしょうか?キュレーターは特定の場所や時間の中で無数の要素を組み合わせ、展覧会を構成していきます。アーティストの背景や作品から読み取れる意味や歴史的な参照のほかにも、注目すべきことがあります。例えば、照明や採光、作品の鑑賞時間や作品との主体的な関わり方、展覧会場に漂うエネルギーやムードなどもキュレーターがつくり出すものであり、鑑賞者が作品を体験する上で重要な役割を果たします。 心に響く展覧会とは何か、キュレーターの意思はどのように反映されているのか、ハラルド・ゼーマンが手がけた展覧会を参照しつつ、多くの事例を見ながら考えていきます。
キュレーションはどこに向かうのか - ユニークな実践から学ぶ新しいキュレーションの動向 -
日時:11月7日(水)19:00-21:00 場所:AITルーム(代官山)
21世紀になってキュレーションの手法も大きく変化してきました。特に美術館では、コレクションの展示方法に対して様々な実験に取り組んでいます。また、1990年代から増えた国際展でも挑戦的なキュレーションが展開され、これまでアートの文脈であまり語られてこなかった人や作品を見ることが増えてきました。こうした新しいキュレーションの未来を示す展覧会の事例や方法を紹介します。 マドリードにある革命的なコレクション展示を行っているレイナ・ソフィア美術館や第56回ヴェネツィア・ビエンナーレ(2015)にてオクウィ・エンヴェゾーがキュレーションしたアウトサイダー・アートに関する展示、また新たなキュレーティングを実践するイデッサ・ヘンデルス(1948~)などの動向について学びます。