※本コースに含まれる以下のレクチャーは、個別に購入することができます。
自己を超越したアート – トランス、瞑想、変容 – - トランス、瞑想、変容 -
日時:9月6日(木)19:00-21:00 場所:AITルーム(代官山)
「アートは自己表現だ」と多くの人は思っているかもしれませんが、美術の長い歴史から眺めていくとアートのもうひとつの側面は自己を消す作業だと言えるかもしれません。アートには深い精神性の追求や非理性的な側面があり、多くのアーティストも瞑想やトランスというテクニックを制作の中に取り入れてきました。アートと宗教の関係、瞑想、トランス、意識の変成、時間を「超える」芸術とは何かを考えていきます。
講師
ロジャー・マクドナルド(MADプログラム・ディレクター/AIT 副ディレクタ―)
アートは全てと関連している – リレーショナル・アートの立場から – - リレーショナル・アートの立場から -
日時:9月20日(木)19:00-21:00 場所:AITルーム(代官山)
1990年代後半に登場した新しいアートとして『関係性の美学』で提示された「リレーショナル・アート」があります。作品中心的ではなく、作品を通して人と社会や行動などをつなげていく「関係性」を重視したアートの形を指す言葉として展開されてきました。現代のように複雑化した社会では、どのような質の関係性をアートに求めることができるのでしょうか。20年が経った現在の視点から、もう一度「リレーショナル・アート」を捉え直します。『関係性の美学』の紹介にはじまり、アートと時間の新しい関係、鑑賞体験の変化、アート観賞におけるナビゲーターの役割を考えていきます。
講師
ロジャー・マクドナルド(MADプログラム・ディレクター/AIT 副ディレクタ―)
障害と社会 – エイブル・アート・ジャパンの実践から – - エイブル・アート・ジャパンの実践から -
日時:10月11日(木)19:00-21:00 場所:AITルーム(代官山)
1990年代以降に日本のアートと福祉の現場で先駆的な実践を行ってきたNPO法人エイブル・アート・ジャパンから柴崎由美子氏を招いて、障害に関わるアートの実践について学びます。障害をどのように捉えていくことができるのか、医療的観点から社会的観点へのシフトを議論しながら、具体的な現場の事例や障害のある人の美術鑑賞体験などから考察します。障害とアートを考えるモデルの紹介、美術鑑賞と障害の問題、エイブル・アート・ジャパンの試みと実践を見ていきます。
講師
柴崎由美子(NPO法人エイブル・アート・ジャパン代表)
http://www.ableart.org
http://www.ableartcom.jp/
ファシリテーター
ロジャー・マクドナルド(MADプログラム・ディレクター/AIT 副ディレクタ―)
一緒に見ること、眺めること – 目の見える人と見えない人の鑑賞ワークショップ – - 目の見える人と見えない人の鑑賞ワークショップ -
日時:10月25日(木)19:00-21:00 場所:AITルーム(代官山)
このセッションでは目の見えるひとと見えない人が一緒に体験するワークショップを行います。 アートの鑑賞や体験は視覚情報だけによるものではありません。様々なコミュニケーションの方法を通じて、異なる作品の体験や意味が生まれてきます。日本において美術鑑賞の場に視覚障害者が関わり始めたのは1980年代と言われています。それから30年の間に「障害」の意味、「鑑賞」のあり方は大きく更新されてきました。講師の林建太氏は、2012年から目の見える人と見えない人が美術を通して一緒に考える場つくりを実践しています。目が見える人と見えない人が相互に関わりながらアートを鑑賞する体験とは、「見る」こと「眺める」ことは双方にとってどのように同じなのか、どのように違うのか、ワークショップを通して考えます。
講師
林建太(「視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ」代表)
ファシリテーター
ロジャー・マクドナルド(MADプログラム・ディレクター/AIT 副ディレクタ―)
脱施設型建築の実践
日時:11月8日(木)19:00-21:00 場所:AITルーム(代官山)
アートや福祉はどちらも作られた制度の中で実践されます。とりわけ福祉においては行政による制度や社会的ルールに左右されることがありますが、こうした制度を解すものとして「建築」の可能性を考えます。これまで福祉と関係がある設計を手掛けてきたアトリエ・ワンの塚本由晴氏をゲストに招いて、建築と制度や福祉の問題について議論します。アトリエ・ワン建築の実践を紹介しながら、建築はルールやシステムといった硬い制度に対して何かできるのか、建築からどういった視点を学べるかを考えます。
講師
塚本由晴(建築家/博士(工学)/アトリエ・ワン共同代表/東京工業大学大学院教授)
ファシリテーター
ロジャー・マクドナルド(MADプログラム・ディレクター/AIT 副ディレクタ―)
ホスピタル・アートの可能性と課題
日時:11月22日(木)19:00-21:00 場所:AITルーム(代官山)
高齢化社会に向かっている日本では、医療現場の社会的役割がますます大きくなっています。特に病院やデイケアセンターでは、どのような空間づくりや心のケアの可能性があるのでしょうか。つくば市の医療現場で、アート活動を通じて、医療者とともに心の安らぎの場作りや医療環境のあり方を考える機会を提供し実践している「チア!アート」の岩田祐佳梨氏をゲストに招いて、日本のホスピタル・アートの最先端や問題について、ロジャーとともに対談形式でお話しを伺います。ホスピタル・アートの紹介、医療現場におけるアートの可能性、倫理的・医療的な課題について考えます。
講師
岩田祐佳梨(NPO法人チア・アート代表)
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