コース:アート・パートナーズ
講師:吉野誠一(アートコレクター)
日時:5月21日(火)19:00-22:00 場所:SUNDAY(三宿)
アート界を牽引するコレクターや美術館館長、経営者と語り社交を楽しみながら、アートの価値やパトロナージュの新しい可能性を探る「アート・パートナーズ」。今回は、「アート・サロン vol.1 コレクターと読み解く旬のアート」。アートコレクター・吉野誠一さんを講師に迎え、吉野さんがプロデュースするアート・カフェ「SUNDAY」でレクチャーが開講されました。
■ 2019年 注目のアートイベント ヴェネツィア・ビエンナーレ2019
今回“旬のアート”として取り上げられたのは、第58回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展。
ヴェネツィア・ビエンナーレは、イタリアのヴェネツィアで1895年から2年に1度開催され、120年以上の歴史のある現代美術の国際美術展覧会です。現在は美術展と建築展が交互に隔年で開催されています。
今年は、2019年5月11日から11月24日まで、ジャルディーニ地区とアルセナーレ地区の会場を中心に世界中から79組のアーティストが集結し、90か国が参加します。
本展覧会のプレビューに参加された 吉野さんと AITディレクターの塩見さん。2人の対談形式でレクチャーがはじまりました。
■ヴェネツィア・ビエンナーレ 2019 のみどころは?
今年のテーマは「May You Live In Interesting Times」(数奇な時代を生きられますように)。総合ディレクターはラルフ・ルゴフ(アメリカ出身のキュレーター)。
全体で100箇所ほどの展示スペースがあり、「1作品ずつじっくり見ていたら、1週間かけても見切れない」「毎日、2ー3万歩くらいは歩いてまわる」ほどのボリュームなのだそうです。
レクチャーは吉野さんの撮影された写真を中心に行われました。まずは、各国のパビリオンをレビュー。今年の「日本館」は、服部浩之氏がキュレーターを務め、アーティスト・下道基行氏、作曲家・安野太郎氏、人類学者・石倉敏明氏、建築家・能作文徳氏による展示が開催されています。専門の異なる4名がコラボレーションした会場の様子をレポートいただきました。
また、今年の金獅子賞を受賞した「リトアニア館」(アーティスト:ルギーレ・バルズジュカイテ、ヴァイヴァ・グライニテ、リナ・ラペリテ) での、パビリオン内につくられたビーチのなかで行われるパフォーマンスの様子を動画で紹介いただいたり、朝から大行列だったという「フランス館」(アーティスト:ローラ・プロヴォスト)のヴェネツィアングラスを使ったタコや魚をモチーフにした作品の様子も紹介いただきました。
■アーティストトークや交流会も
レクチャー後、SUNDAYの隣にあるギャラリー・CAPSULEにて、アーティストの石井友人さんと高石晃さんによるギャラリートークも行われました。お二人のキュレーションにより、Space23℃、CAPSULE、clinicの3つのギャラリーを結んで開催中の展覧会「わたしの穴 美術の穴」の開催経緯や、作品の解説などをいただきました。
https://myholeholesinart.jimdo.com/my-hole-hole-in-art-series-2019/
最後に、吉野さんとアーティストのおふたり、本講座を過去に受講された受講生も交え、SUNDAYにて、美味しい食事とお酒をいただきながらの交流会も行われ、様々なアートの話題で盛り上がりました。
1年を通じたコース制の「アート・パートナーズ」。アート界を牽引する様々な分野の方々のお話を伺うだけでなく、異業種で活動する受講生同士の交流も楽しみです。
高砂理恵