講師
山村みどり(ニューヨーク近代美術館[MoMA]講師 / ニューヨーク市立大学キングスバロー校准教授)
Photo by Kazuhisa Kuwahara
日時:12月8日(金)19:00-20:30
12月9日(土)11:00-16:45
場所:AITルーム(代官山)
定員:20名
受講料:¥19,000(税別)
備考:ランチ付き
講師
山村みどり(ニューヨーク近代美術館[MoMA]講師 / ニューヨーク市立大学キングスバロー校准教授)
現代美術の一つの大きな魅力は、作品を通して政治や社会、思想に思いを馳せることです。
近代美術の殿堂とも言われているニューヨーク近代美術館[MoMA]は、1929年の開館当初、教育普及機関として市に登録され、双方向性の対話によるラーニング・プログラムを通して、作品と鑑賞者を繋げる大切な役割を果たしてきました。また、20万点を超えるMoMAコレクションの一部は、現在オンラインで閲覧ができ、目の不自由な方やキッズ向けの作品解説が他言語で聞けるなど、オンラインも充実しており、美術教育の最先端としても常に注目されています。
本講座では、2004年よりMoMAの教育普及に携わってきた山村氏を迎え、MoMAのラーニング・メソッドを通して美術史の基礎を学ぶとともに、現在のMoMAの美術に対する見方や考え方、また、社会や思想の動向がどのように同時代の美術を形づけているかを議論します。最後に、キュレーターのロジャー・マクドナルドとともに、MoMAコレクションの作品から、参加者が自らの視点を通してキュレーションを試みるワークショップを行います。
それぞれの近現代美術に関するキュレーションのアプローチを考え、作品や現代美術に関する理解を深めることが本講座の目的です。
レクチャー及びワークショップは以下の手順で進めていきます。
1)受講生には事前に参考文献と参考サイトをメールにてお知らせ
2)MoMAの美術教育の歴史と、当時の社会状況を踏まえた近代美術の基礎知識を学ぶ
3)最新の展覧会情報などを事例に挙げながら、美術に関する歴史的問題や現代の社会問題、出来事について考える
4)MoMAコレクションをベースに、受講生の関心のあるテーマや問題と紐付けて、展覧会のアイディアを練る
5)アイディアの発表およびディスカッション
*英語の参考文献は、レクチャー当日、日本語で丁寧に紹介しますので、英語が苦手な方も受講できます。
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★第1回:レクチャー「MoMAの美術教育の歴史と60分で学ぶモダンアート」[12月8日(金)19:00-20:30]
本セッションでは、MoMAの双方向性の対話によるラーニング・プログラムの実践として、近代美術史の基礎を学びます。また、翌日のセッション「歴史的アートの再考と再発掘、新たなジャンル」を考察する課題として、山村氏が著した参考文献とMoMAのコレクションサイトを参照しながら、これまでに語られてきた美術史を新たに捉えなおすヒントを探ります。*受講生には事前に参考文献と参考サイトをメールにてお知らせします。
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★第2回:レクチャーとディスカッション「歴史的アートの再考と再発掘、新たなジャンル」[12月9日(土)11:00-12:30]
His story「神もしくは彼(勝者)の物語」として語られる歴史と同様に、美術史も20世紀後半まで白人、男性、知識人といった、社会の優勢な立場に立つ者たちの視点から語られてきました。
しかし、ポスト構造主義が近代という神話を破壊し始めたことから、それまで西洋美術史に含まれることがなかった非西欧圏の美術や、女性アーティストの作品、カウンター・カルチャーの流れから生まれ出たサイケデリック・アートや実験映画など、新たな表現手法が、21世紀に入ってから MoMAの展覧会を構成するようになってきました。
こういった傾向は、現在開催中のLouise Bourgeois: An Unfolding Portraitや、Club 57にも見出すことができます。最近行われた日本に関する展覧会には、Yoko Ono: One Woman Exhibition, 1960-1971 や、Tokyo 1955-1970: A New Avant-Garde などもあります。
このセッションでは、MoMAの最新展覧会情報と新たなキュレーションのアプローチを紹介するとともに、無視されてきた美術史の大きな問題や課題についてディスカッションします。
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★第3回:ワークショップとディスカッション「キュレーションの実践」[12月9日(土)13:30-16:45]*休憩含む
前日の課題とレクチャーをうけて、受講生が関心のある作品やテーマ、コンセプトをもとに、MoMAのコレクションサイトを使って、展覧会のアイディアを考え発表し、受講生全員でディスカッションを行います。(各10分 フィードバック含)
こんな方にオススメ!
ー展覧会づくりのシミュレーションを通じて、近・現代美術の基礎を学びたい方
ー近代美術の歴史とその背景を別の角度から捉え、学びたい方
ーMoMAのラーニング・プログラムに興味のある方、実際に体験したい方
Photo by Kazuhisa Kuwahara
レクチャータイトル:MAD WORLD vol.4 Thinking through the MoMA collection:ニューヨーク近代美術館のコレクションを通して見えてくるもの
日時:12月8日(金)19:00-20:30
12月9日(土)11:00-16:45
場所:AITルーム(代官山)
定員:20 名
講師:山村みどり(ニューヨーク近代美術館[MoMA]講師 / ニューヨーク市立大学キングスバロー校准教授)
受講料:¥19,000(税別)
備考:ランチ付き