アートやビジネスのプロフェッショナルを招き、1年間かけてアートの価値やパトロナージュの新しい可能性について考えます。日本のアートシーンを多方面から牽引する方々から話を聞き、プロセッコを楽しみながら受講生とともに会話を楽しむサロン形式の講座です。代官山のAITルームでの講座では、ゲストのお話やみなさんとの対話で各テーマを掘り下げるほか、一般公開していないアート・スポットや注目ギャラリーの展覧会などにも訪問します。サロンの締めくくりは、世田谷区・三宿にあるアート・カフェのSUNDAYに場所を移して、美味しい食事をいただきながら、皆さんと一緒に一年の振り返ります。 アートを心から愛する企業経営者や担当者、美術館館長、コレクター、アート・ディーラー、アート・ディレクター、仲間とともにアートを楽しむ一年を始めてみませんか。

ファシリテーター

塩見有子(AITディレクター)

Photo by Yukiko Koshima

学習院大学法学部政治学科卒業後、イギリスのサザビーズインスティテュートオブアーツにて現代美術ディプロマコースを修了。帰国後、ナンジョウアンドアソシエイツにて国内外の展覧会やアート・プロジェクトのコーディネート、コーポレートアートのコンサルタント、マネジメントを担当。2002年、仲間と共にNPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]を立ち上げ、代表に就任。AITでは、組織のマネージメントのほか、レジデンス・プログラムやメルセデス・ベンツやマネックス証券、ドイツ銀行、日産自動車など、企業による芸術支援プログラムのコンサルティングなどを行う。

1. アートはやっぱり面白い:好奇心のその先へ

日時:4月20日(木)19:00-21:00 会場:AITルーム(代官山)

世界中のアーティスト、美術館館長やキュレーター、ギャラリスト、コレクターやパトロンと交流をし、アートの面白さや奥深さを多くの人に伝えて来た南條史生氏。アートの面白さや複雑さ、なぜ私たちはアートを必要としているのかについて、まずは大きな問いをたてながら、みなさんと対話形式で考えます。

講師

南條史生(森美術館館長)

Photo by Makiko Nawa.
Courtesy of Mori Art Museum, Tokyo.

1949年東京生まれ。慶應義塾大学経済学部、文学部哲学科美学美術史学専攻卒業。国際交流基金等を経て2002年より森美術館副館長、2006年11月より現職。過去にヴェニス・ビエンナーレ日本館(1997年)及び台北ビエンナーレ(1998年)コミッショナー、ターナープライズ審査委員(ロンドン、1998年)、横浜トリエンナーレ(2001年)、シンガポール・ビエンナーレ(2006年、2008年)アーティスティックディレクター、茨城県北芸術祭(2016年)等を歴任。2017年は、3月-5月開催のホノルル・ビエンナーレでキュラトリアルディレクターを担当。近著に「アートを生きる」(角川書店、2012年)がある。

2. 世界最大規模の企業コレクションとその活かし方

日時:5月18日(木)19:00-21:00 会場:AITルーム(代官山)

ドイツ銀行は、35年以上にわたり社員やクライアント、一般の鑑賞者が現代アートにアクセスするためのプログラムを実践してきました。企業コレクションの規模は世界でも最大級といわれ、アートと企業の関係を考える上で、リーダー的な存在でもあります。歴史を引き継ぎながら、革新を止めないプログラムは、企業内にアート部門があることとも関係がありそうです。コレクションや展覧会だけではない、企業とアートのあり方について考えます。

講師

土井未穂(ドイツ銀行グループ広報部コミュニケーションズ・スペシャリスト)

1976年埼玉県生まれ。学習院大学文学部哲学科卒業、ニューヨーク大学大学院ビジュアル・アーツ・アドミニストレーション修士課程終了。東京画廊+BTAP勤務を経て、2011年より現職。広報・CSR業務の一環として、展覧会やセミナー、ワークショップ、レセプション等のコーディネーションおよびPR、アートイベントのスポンサーシップなどを担当。個人的には若手アーティストの作品数十点をコレクションしている初心者コレクター。

3.作品を買う/見せる、ビジネスをする、人をつなぐエコロジー

日時:6月29日(木)19:00-21:00 会場:AITルーム(代官山)

日本のアーティストの作品を買うコレクターとしての顔だけでなく、世田谷・三宿にカフェ「SUNDAY」、ギャラリー「CAPSULE」を経営し、積極的に若い作家の展示をしている吉野氏。アート好きもそうでない人も、さまざまな人が集まる場所を作り、さらには、人と人をつなげて、新たなアート・シーンをつくる方法やパトロネージのあり方についてお話を伺います。

講師

吉野誠一(アート・コレクター)

1968年生まれ。主要な展覧会や海外のアートフェアを訪れ、国内外の若手から大物アーティストまで幅広く現代アートの作品を収集。「ARTiT」に展覧会レビューを寄稿。2011年8月、自身がプロデュースするカフェレストラン「SUNDAY」とギャラリースペース「CAPSULE」を東京・三宿に開設 。2015年1月より、都内近郊のギャラリーや美術館情報を紹介するフリーペーパー『GUIDE』の発行を手がける。AITのレジデンスプログラムアーティストが滞在する、倉を改装した住宅の大家。

4.アートとビジネスの相性は良い、悪い

日時:7月27日(木)19:00-21:00 会場:AITルーム(代官山)⇒マネックス証券株式会社本社(赤坂)

10年前に松本氏のアイディアで始まった「ART IN THE OFFICE」は、マネックス証券にあるオフィススペースの空間にあわせて作品を提案してもらい、受賞者の作品を約1年間展示するという公募プログラムです。重要な会議も行うプレスルームに作品を展示していると、松本氏と訪問客、あるいはアーティスト、社員とのコミュニケーション活性化につながることもあるようです。一方で、企業が作品を展示したり、アーティストと関わる中での難しさもあるのでしょうか。作品を購入して壁にかけるだけではない、アートの価値やビジネスとの関係について、松本氏とともに考えます。

講師

松本大(マネックス証券株式会社代表取締役会長CEO)

1963年埼玉県生まれ。1987年東京大学法学部卒業後、ソロモン・ブラザーズを経て、ゴールドマン・サックスに勤務。94年、30歳で同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、マネックス証券株式会社を設立。2015年11月より現職。現在、事業持株会社であり、個人向けを中心とするオンライン証券子会社を日本(マネックス証券)・米国(TradeStation証券)・香港(マネックスBOOM証券)に有するグローバルなオンライン金融グループであるマネックスグループ株式会社およびマネックス証券株式会社両社のCEOを務める他、株式会社カカクコム、米マスターカード、株式会社ユーザベース.の社外取締役を務める。

5.大林組本社ビルアートコレクション訪問

日時:8月7日(月)18:30-20:30 会場:大林組品川本社ビル(品川)

大林組の品川本社ビルには、草間彌生や森万里子、ダニエル・ビュラン、ピーター・ハリーなどによるコーポレート・アートが展示されているのを知っていますか。このプロジェクトは、作品を壁に掛けるだけではなく、設計段階からアーティストが関わり、空間に合わせて作品制作をしたという点で、日本でも珍しいプロジェクトです。一般には公開していないこのアート・プロジェクトを、大林氏と、当時のコンサルタントチームの1人だった塩見と共に鑑賞します。大林組本社アート・プロジェクトについて

講師

大林剛郎(株式会社大林組代表取締役会長)

1954年東京生まれ。1977年慶應義塾大学経済学部卒業、大林組入社。1978年-1980年スタンフォード大学大学院工学部留学。2009年から大林組代表取締役会長。2014年から文化審議会文化政策部会委員。ニューヨーク近代美術館[MoMA]、サンフランシスコ近代美術館[SFMOMA]、テート・ギャラリー(イギリス)、ポンピドゥー・センター(フランス)の活動支援など、現代アートの普及に努める傍ら、日本の若手現代アーティストの支援を行う。

6.アートが企業ブランドを高める、というのは本当でしょうか。(仮)

日時:9月14日(木)19:00-21:00 会場:AITルーム(代官山)

世界的に有名なファッションメゾン、エルメスは、2001年に東京・銀座に旗艦店「メゾンエルメス」を誕生させて以来、8階の「フォーラム」での現代アート企画展ほか、映画を上映する「ル・ステュディオ」やウィンドウディスプレイなど、様々な企画を立ち上げ、注目を浴びてきました。そうした試みを手がけられてきた藤本さんの手法は、「アートを通じて企業イメージを高める」ということとは異なる、独自の考え方が隠されていそうです。アートと企業、マーケティングの関係について、複数の視点から考えて行きます。

講師

藤本幸三(アーティスティックディレクター/株式会社ジェイアイエヌ コーポレート アドバイザー)

1954年生まれ。2001年エルメスジャポン株式会社にて、日本におけるエルメスのイメージ管理、コミュニケーション活動などを統括。2013年より株式会社アニエスベーサンライズ代表取締役社長に就任後、2016年より株式会社ジェイアイエヌのコーポレートアドバイザーに就任。教育実績:立命館大学(客員教授)、武蔵野美術大学(特別講師)、多摩美術大学(特別講師)

7.ギャラリー訪問

開講月:10月 会場:訪問先未定

*展覧会日程が決まり次第、ご案内します。

8.世界のアートビジネス最前線

日時:11月22日(水)19:00-21:00 会場:AITルーム(代官山)

世界のアート・マーケットにおける作品の売買をはじめ、日本でも有数の個人コレクションのコンサルタントとしても活躍する塩原氏。海外で最新のアート・シーンに足を運び、オークションを始めとするアート・ビジネスに携わる人々と交流を深める中で、今、どのようなビジネスの可能性が見えているかお話を伺います。

講師

塩原将志(アート・オフィス・シオバラ代表取締役)

1962年群馬県赤城山生まれ。アート・ディーラー。有限会社アート・オフィス・シオバラ代表取締役。nca(日動コンテンポラリーアート)顧問。ギャラリー日動ニューヨークINC.の代表を務めた後、(株)タグボート創始期よりアドバイザーとして参画。2004年 アート・オフィス・シオバラ設立。コレクターのアドバイス、そのコレクションの購買代理として、年の半分以上を海外のアートの現場にて情報交換と美術品売買を行う。

9.アート・サロン

日時:12月7日(木)19:00-21:30 会場:SUNDAY(三宿)*食事つき

世田谷の三宿にあるカフェ「SUNDAY」で、特別メニューの食事をいただきながら、カフェのオーナーでもある吉野氏とともに、一年間を振り返ります。

SUNDAY外観 http://sunday-cafe.jp

講師

吉野誠一(アート・コレクター)

1968年生まれ。主要な展覧会や海外のアートフェアを訪れ、国内外の若手から大物アーティストまで幅広く現代アートの作品を収集。「ARTiT」に展覧会レビューを寄稿。2011年8月、自身がプロデュースするカフェレストラン「SUNDAY」とギャラリースペース「CAPSULE」を東京・三宿に開設 。2015年1月より、都内近郊のギャラリーや美術館情報を紹介するフリーペーパー『GUIDE』の発行を手がける。AITのレジデンスプログラムアーティストが滞在する、倉を改装した住宅の大家。

TICKETS

レクチャータイトル:アート・パートナーズ


日時:4月20日(木)19:00-21:00 他、全9回 ※日時の詳細は上記に記載

場所:AITルーム(代官山)、大林組品川本社ビル、SUNDAY(三宿)他

定員:20 名

講師:南條史生(森美術館館長) 土井未穂(ドイツ銀行グループ広報部コミュニケーションズ・スペシャリスト)他

受講料:¥118,500(税別)

備考:交流会費込
協賛:株式会社 ポンテヴェキオ ホッタ

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Art & Culture TRIPS

 10月26日(土) 8:30-19:00(予定)

ナビゲーター:AITスタッフ
ゲスト:山根一晃、佐塚真啓、永畑智大
訪問先:Super Open Studio 2019(S.O.S 2019)、国立奥多摩美術館
定員:25名 *最小催行人数:15名
料金:¥16,000(税別)*コース生 ¥2,000引

20軒を超えるスタジオと、その所属アーティスト約120名からなる「Super Open Studio 2019」や、制作スタジオを美術館に見立てプロジェクト活動を行っている「国立奥多摩美術館」を巡ります。

Art & Culture TRIPS

 11月30日(土) 9:00-19:00(予定)

ナビゲーター:AITスタッフ
ゲスト:竹久侑(水戸芸術館現代美術センター主任学芸員)、佐藤麻衣子(水戸芸術館現代美術センター教育プログラムコーディネーター)ほか
訪問先:水戸芸術館現代美術センター、茨城朝鮮初中高級学校ほか
定員:25名 *最小催行人数:15名
料金:¥16,000(税別)*コース生 ¥2,000引

水戸芸術館現代美術センターの「アートセンターをひらく 第Ⅱ期」と茨城朝鮮初中高級学校「オープン・スクール」ほかに訪問予定です。

Art & Culture TRIPS

 6月29日(土) 9:00-19:00(予定)

ナビゲーター:塩見有子、大隈理恵(AIT)ほか
ゲスト:石田建太朗(建築家)*予定
訪問先:N's YARD
定員:25名 *最小催行人数:15名
料金:一般 ¥16,000(税別)*コース生 ¥2,000引

アーティストの奈良美智氏の未発表作品やコレクション作品などを展示している個人美術館「N's YARD」と自然と現代アートに包まれた、保養とアートの宿「板室温泉大黒屋」を訪問します。

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