コース:マガジン・リダックス
講師:塩見有子(AITデイレクター)
日時:4月12日(金)19:00-21:00 場所:代官山AITルーム
今話題のアート・ニュースについて学べる「マガジン・リダックス」。
「マーケットなんて関係ない」という一貫した態度で活動を続けたスウェーデンの女性アーティスト、Hilma af Knit(1862〜1944)による個展が現在、ニューヨークのグッゲンハイム美術館にて開かれています。「自分の死後20年間は作品をどこにも展示しない」という遺書を残し、今までマーケットに出てこなかった彼女の作品からスタートした第一回目のレクチャーでは、アートとマーケットについて「インパクト」「透明性」「民主化」「倫理」の4つのキーワードを軸に議論が進みました。
まずはじめに、「野村アートアワード」など、最近話題のアートアワードやオークションについて、お金が語るそれぞれの背景を学び、アートが社会に与えるインパクトについて考えました。
また、オンラインを使って作品の売買における不透明性を明瞭にしようとする「ブロック・チェーン」の事例や今流行りのInstagramを使って行われているオークションなど、さらにアーティスト自らが自分の作品を売るようになっていることにも触れ、一部特権としてみられてきたアートが、インターネット技術の発展とともに、「民主化」といえるような大きな変革がこれから起きようとしている示唆に富んだ内容でした。
最後は、欧米で話題となっているサックラー財団を例に、アートと経済、また倫理について、様々な意見が交わされました。
レクチャー後の交流会では、最新のアート界の情報が知れる「マガジン・リダックス」コースならではの、“今”起きていることについて受講生同士で情報交換も行いました。
渡辺桃加