2018年05月28日

レポート:アート界の力学 – 教育・美術館・マーケットの循環と、新しい動向 –

コース:アートを支える制度と仕事
講師:塩見有子(AITデイレクター/AIT理事長)
日時:4月10日(火)19:00-21:00 場所:AITルーム(代官山)

 
「あなたにとってアートとはなんですか?」そんな問いかけから始まった「アートを支える制度と仕事」の第1回目。アーティストを中心として、「教育機関」「美術館・評論」「市場」の3点からアートを取り巻くプレイヤーについてのお話を伺いました。

 

 
一つ目の「教育機関」では、16世紀まで遡りアートアカデミーの歴史や、現在存在感を増しているオルタナティブスクールの事例としてメキシコにある「SOMA」がピックアップされました。
二つ目の「美術館・評論」については、近年美術館を凌ぐ勢いのあるメガコレクターといわれるエルンスト・バイエラー(スイス・バーゼルにあるバイエラー財団の創設者)、チャールズ・サーチ(ロンドンのサーチ・ギャラリーオーナー)、イーライ&エディス・ブロード夫妻などの紹介があり、特にブロード夫妻に関しては、世界中の美術館に自身のコレクションを貸し出していることから、展覧会をつくる上でメガコレクターなしでは企画が成り立たなくなっている状況についての説明がありました。
そして最後に「市場」の動きとして、近年新しいアートフェアの形としてロンドンで創設された「CONDO」の特徴から、従来のアートフェアが抱える問題点を解決しようと奮闘している動向を読み取ることができました。

 
2時間にギュッと凝縮された今回のレクチャーでは、美術を支える制度や役割の概要を知ることができました。

 
周山祐未

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Art & Culture TRIPS

 7月19日(金)-21日(日) 

ナビゲーター:AITスタッフ
ゲスト:向谷地宣明(MCMedian代表取締役 / NPO法人BASE代表理事)、浦河べてるの家関係者ほか
訪問先:「第27回べてるまつり in 浦河」(浦河町総合文化会館)ほか
定員:20名 *最小催行人数:14名
※ 早期「お問合せ」割引 / MAD生割引あり

北海道浦河町にある、統合失調症やうつなどの精神疾患を経験した当事者を中心とするコミュニティ「浦河べてるの家」が1年に一度開催するユニークなお祭り「べてるまつり」を訪問します。

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 11月30日(土) 9:00-19:00(予定)

ナビゲーター:AITスタッフ
ゲスト:竹久侑(水戸芸術館現代美術センター主任学芸員)、佐藤麻衣子(水戸芸術館現代美術センター教育プログラムコーディネーター)ほか
訪問先:水戸芸術館現代美術センター、茨城朝鮮初中高級学校ほか
定員:25名 *最小催行人数:15名
料金:¥16,000(税別)*コース生 ¥2,000引

水戸芸術館現代美術センターの「アートセンターをひらく 第Ⅱ期」と茨城朝鮮初中高級学校「オープン・スクール」ほかに訪問予定です。

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 4月20日(土) 14:00-18:00(予定)

ナビゲーター:AITスタッフ
ゲスト:和佐野有紀(PROJECT501ディレクター / 耳鼻咽喉科医)
訪問先:PROJECT501、アクセンチュア株式会社、アーティスト・スタジオ
定員:12名 *最小催行人数:7名
料金:¥7,500(税別)*コース生 ¥2,000引

本ツアーでは、普段はなかなかアクセスできない企業に展示されている作品やアーティストの作品が生まれるスタジオなどを巡り、じっくり時間をかけて様々な角度からアート作品を鑑賞します。

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