展覧会を作るとき、キュレーターはどのように空間を構成し、どのような相互作用を人々の間に起こしているのでしょうか。はたまた、どのような価値観が提唱されるべきなのでしょうか。競争市場が社会のモデルとして扱われる現代のネオリベラリズム的な人間観に対し、キュレーティングがいかに人を純粋に個人主義的に捉え、ネオリベラリズムへの抵抗に踏み出せるか、その道筋を探ります。最新の文化理論の文献を参照しながら、コモンズやエンパワーメント、愉悦、関係性といった概念を展覧会やキュレーティングの文脈で読み解きます。キュレーティングがキーワードの一つになりますが、このレクチャーではより幅広く今の時代性とアート体験の関係について考えます。現代思想やアートと社会性について関心がある方にもお勧めです。参考文献:ジェレミー・ギルバート著『Common Ground: Democracy and Collectivity in an Age of Individualism』、2014

講師

ロジャー・マクドナルド(MADプログラム・ディレクター/AIT 副ディレクター)

東京生まれ。イギリスで教育を受ける。学士では、国際政治学。修士では、神秘宗教学(禅やサイケデリック文化研究)。博士号では、『アウトサイダー・アート』(1972年)の執筆者ロジャー・カーディナルに師事し美術史を学ぶ。1998年より、インディペンデント・キュレーターとして活動。「横浜トリエンナーレ2001」アシスタント・キュレーター、第一回「シンガポール・ビエンナーレ 2006」キュレーターを務める。2003年より国内外の美術大学にて非常勤講師として教鞭をとる。長野県佐久市に移住後、2013年に実験的なハウスミュージアム「フェンバーガーハウス」をオープン、館長を務める。また、国内初の英国式「チャトニー」(チャツネ)を生産・販売している。興味は美術史、絵画、変性意識状態、オーディオ鑑賞、踊り、山。AIT設立メンバーの一人。
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レクチャータイトル:キュレーションの着地点—ネオリベラリズムに抗うコミュニティー


日時:11月17日(金)19:00-21:00

場所:AITルーム(代官山)

定員:30 名

講師:ロジャー・マクドナルド(MADプログラム・ディレクター/AIT 副ディレクター)

受講料:¥3,900(税別)

備考:レクチャー終了後、ミニ・バーをオープン(21:00-21:30/有料)

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訪問先:Super Open Studio 2019(S.O.S 2019)、国立奥多摩美術館
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ゲスト:堤隆(浅間縄文ミュージアム館長兼主任学芸員)
訪問先:フェンバーガーハウス、浅間縄文ミュージアム
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料金:¥16,000(税別)*コース生 ¥2,000引

ロジャー・マクドナルドのガイドのもと、縄文のアニミズムとアートとのつながり、絶滅を考えるユニークな1日ツアーです。長野県にある「浅間縄文ミュージアム」と「フェンバーガーハウス」を巡ります。

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訪問先:PROJECT501、アクセンチュア株式会社、アーティスト・スタジオ
定員:12名 *最小催行人数:7名
料金:¥7,500(税別)*コース生 ¥2,000引

本ツアーでは、普段はなかなかアクセスできない企業に展示されている作品やアーティストの作品が生まれるスタジオなどを巡り、じっくり時間をかけて様々な角度からアート作品を鑑賞します。

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