※本コースに含まれる以下のレクチャーは、個別に購入することができます。
キュレーションの起源 洞窟、驚異の部屋、プライベート美術館
日時:5月10日(金)19:00-21:00 場所:代官山AITルーム
キュレーションという行為は、非常に親密な空間から生まれるといえるでしょう。珍しい物や神殿に捧げる物などを陳列したプライベートな小さな部屋「キャビネット・オブ・キュリオシティーズ(Cabinet of Curiosities/驚異の部屋)」は、現在の博物館・美術館の原型とされています。ある意味でこれは「モダン」美術館が誕生する以前の話でもあり、現代の大きく発展したアート体験に新しいヒントや見方を与えるかもしれません。洞窟とアートの始まり、プライベートの美術館、物を集める主体性と関係性、蒐集する衝動について考えていきます。
展覧会を面白くするスパイス 作品やコンセプトだけではない、展覧会を構成する様々な要素
日時:6月7日(金)19:00-21:00 場所:代官山AITルーム
展覧会はどうやって作られているのでしょうか?キュレーターは特定の場所や時間の中で無数の要素を組み合わせ、展覧会を構成しています。アーティストの背景や作品から読み取れる意味、歴史的な参照のほかにも、注目すべきことがあります。例えば、照明や採光、作品の鑑賞時間や作品との主体的な関わり方、展覧会場に漂うエネルギーやムードなどもキュレーターがつくり出すものであり、鑑賞者が作品を体験する上で重要な役割を果たします。心に響く展覧会とは何か、キュレーターの意思はどのように反映されているのか、ハラルド・ゼーマン(1933〜2005年)が手がけた展覧会を参照しつつ、多くの事例を見ながら考えます。
キュレーションはどこに向かうのか ユニークな実践から学ぶ新しいキュレーションの動向
日時:7月12日(金)19:00-21:00 場所:代官山AITルーム
21世紀になってキュレーションの手法も大きく変化してきました。特に美術館では、コレクションの展示方法に対して様々な実験に取り組んでいます。また、1990年代から増加した国際展でも挑戦的なキュレーションが展開され、これまでアートの文脈であまり語られてこなかったアーティストや作品を見ることが増えてきました。こうした新しいキュレーションの未来を示す展覧会の事例や方法を紹介します。マドリードにある革命的なコレクション展示を行っているレイナ・ソフィア美術館や「第56回ヴェネツィア・ビエンナーレ(2015年)」にてオクウィ・エンヴェゾー(1963年〜2019年)がキュレーションしたアウトサイダー・アートに関する展示、また新たなキュレーティングを実践するイデッサ・ヘンデルス(1948年~)などの動向について学びます。