※本コースに含まれる以下のレクチャーは、個別に購入することができます。
つくる衝動、素材との格闘 アウトサイダー・アート、ピカソ、アーツ・アンド・クラフツ運動
日時:4月10日(水)19:00-21:00 場所:代官山AITルーム
「何かをつくる衝動」という側面からアートを考えます。アートの歴史は人間と物質の関係の歴史でもあります。実験を重ねて、アーティストは新しい関係を探り作品にしてきました。このレクチャーではまず、つくる衝動をストレートに表す「アウトサイダー・アート」から始まり、素材の実験的精神を追っていきます。アウトサイダー・アートとは何か、なぜ人間はアートをつくるのか、工芸とアートの関係、パブロ・ピカソと物質の実験から、現代アートにつながる根源的なアートの欲求について考えます。
アートの価値を決めるのは誰か デュシャン、ダダ、コンセプチュアル・アート
日時:4月24日(水)19:00-21:00 場所:代官山AITルーム
アートという行為や作品の価値は、アートを支える様々なインフラによって左右されます。特に20世紀のアートの価値は、美術館と密接に関係しています。そしてアート・マーケットというもうひとつのシステムも、この時代から大きく関わってきました。アートは物質や素材の価値から拡張され、アーティストの考えや社会に対する批判もアートの価値とされています。マルセル・デュシャンの革命的作品のインパクト、美術館が決めるアートの価値、ダダの反抗精神、コンセプチュアル・アートはなぜアートなのかについて考えます。
イメージの爆発 1960年代のニューメディア、サイケデリック、フルクサス、ディスコ、ビデオ
日時:5月8日(水)19:00-21:00 場所:代官山AITルーム
戦後から1960年代にかけて、アートの表現方法や価値観は大きく揺れ動きました。社会の変化も反映しながら、アートは「爆発」的に新たな可能性に向かっていったのです。特に、新しいメディアや文化の誕生によってアートの社会的役割や存在意義がめまぐるしく変わりました。60年代のカウンターカルチャー、実験映像とビデオアート、フルクサスのユーモア、ギャラリーとしての「ディスコ」などを参照し、1960年代のアートシーンを振り返ります。
批評するアート フェミニズム、シャーマン、アンディ・ウォーホール、ポスト3.11、盗用芸術
日時:5月22日(水)19:00-21:00 場所:代官山AITルーム
20世紀のアートは、社会に対する批評的な役割をひとつの使命としてきました。そこにはアートの理論だけではなく、哲学や社会学という思想が大きく影響しています。本レクチャーでは、ジェンダーや人権の問題、作品の市場価値を担保するオリジナルの概念や大量生産社会に対してのアートのスタンスを考えていきます。フェミニズムとアート、一点物としての作品に挑戦する写真家たち、アンディ・ウォーホル、ポップアートのレガシー、日本における3.11以降のアートの動きまでを追っていきます。
拡張するモダン グローバリゼーション、ドクメンタ、ドキュメンタリー、記憶、松澤宥
日時:6月5日(水)19:00-21:00 場所:代官山AITルーム
私たちはよく「モダンアート」という言葉を使います。ここでいう「モダン」は非常に狭い地理感覚や価値観を指しているかもしれません。現代アートの中ではこの「モダン」を大きく考え直す動きもあり、様々な国や地域、時間軸や価値観によって変化するものとして展開してきました。本レクチャーでは、植民地主義や戦争という思想や事象がどのようにアートに反映されてきたのかを考えていきます。グローバリゼーション、「ドクメンタ」と西洋の拡張、ドキュメンタリー形式の作品、記憶がキーワードになります。
タイムマシーン 過去と現在が交錯するキュレーションと蒐集
日時:6月19日(水)19:00-21:00 場所:代官山AITルーム
21世紀の特長は「いつでも、どこでも」という言葉で表せるかもしれません。テクノロジーによって時間の感覚や空間の経験が大きく変化してきました。もともとアートにはこの横断的な側面が備わっていましたが、変化の激しい現代においてはそのあり方も変わろうとしています。特にキュレーターやアーティストは様々な異なる物やアイディアを結んでいくことで、新しい歴史や意味をつくっています。このような時代だからこそ無視されてきたアーティストやアイディアを、いまもう一度考え直す価値があるでしょう。「ミックス」という価値、アートを横断的に見ること、キュレーションのこれから、コレクターの美術史について考えていきます。