このセッションでは目の見えるひとと見えない人が一緒に体験するワークショップを行います。 アートの鑑賞や体験は視覚情報だけによるものではありません。様々なコミュニケーションの方法を通じて、異なる作品の体験や意味が生まれてきます。日本において美術鑑賞の場に視覚障害者が関わり始めたのは1980年代と言われています。それから30年の間に「障害」の意味、「鑑賞」のあり方は大きく更新されてきました。講師の林建太氏は、2012年から目の見える人と見えない人が美術を通して一緒に考える場つくりを実践しています。目が見える人と見えない人が相互に関わりながらアートを鑑賞する体験とは、「見る」こと「眺める」ことは双方にとってどのように同じなのか、どのように違うのか、ワークショップを通して考えます。

講師

林建太(「視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ」代表)

1973年東京都生まれ。1995年より在宅ヘルパーとして身体障害者の日常生活全般のサポートに携わる。2012年より「視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ」発足。東京都現代美術館や東京都写真美術館のほかに、ヨコハマトリエンナーレ2017(横浜美術館ほか、2017年)、「Museum of Together」展(スパイラル、2017年)などで、視覚障害者と晴眼者が言葉を介して一緒に美術鑑賞をするワークショップを主催している。また、2017年より、美術館や様々な場所で、演劇の力をかりてちょっと変わった「音声」をつくるプロジェクト「きくたびプロジェクト」を開始。

ファシリテーター

ロジャー・マクドナルド(MADプログラム・ディレクター/AIT 副ディレクタ―)

東京生まれ。イギリスで教育を受ける。学士では、国際政治学。修士では、神秘宗教学(禅やサイケデリック文化研究)。博士号では、『アウトサイダー・アート』(1972年)の執筆者ロジャー・カーディナルに師事し美術史を学ぶ。1998年より、インディペンデント・キュレーターとして活動。「横浜トリエンナーレ2001」アシスタント・キュレーター、第一回「シンガポール・ビエンナーレ 2006」キュレーターを務める。2003年より国内外の美術大学にて非常勤講師として教鞭をとる。長野県佐久市に移住後、2013年に実験的なハウスミュージアム「フェンバーガーハウス」をオープン、館長を務める。また、国内初の英国式「チャトニー」(チャツネ)を生産・販売している。興味は美術史、絵画、変性意識状態、オーディオ鑑賞、踊り、山。AIT設立メンバーの一人。https://www.fenbergerhouse.com
TICKETS

レクチャータイトル:一緒に見ること、眺めること


日時:10月25日(木)19:00-21:00

場所:AITルーム(代官山)

定員:25 名

講師:林建太(「視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ」代表)

受講料:¥3,900(税別)

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Art & Culture TRIPS

 7月19日(金)-21日(日) 

ナビゲーター:AITスタッフ
ゲスト:向谷地宣明(MCMedian代表取締役 / NPO法人BASE代表理事)、浦河べてるの家関係者ほか
訪問先:「第27回べてるまつり in 浦河」(浦河町総合文化会館)ほか
定員:20名 *最小催行人数:14名
※ 早期「お問合せ」割引 / MAD生割引あり

北海道浦河町にある、統合失調症やうつなどの精神疾患を経験した当事者を中心とするコミュニティ「浦河べてるの家」が1年に一度開催するユニークなお祭り「べてるまつり」を訪問します。

Art & Culture TRIPS

 11月30日(土) 9:00-19:00(予定)

ナビゲーター:AITスタッフ
ゲスト:竹久侑(水戸芸術館現代美術センター主任学芸員)、佐藤麻衣子(水戸芸術館現代美術センター教育プログラムコーディネーター)ほか
訪問先:水戸芸術館現代美術センター、茨城朝鮮初中高級学校ほか
定員:25名 *最小催行人数:15名
料金:¥16,000(税別)*コース生 ¥2,000引

水戸芸術館現代美術センターの「アートセンターをひらく 第Ⅱ期」と茨城朝鮮初中高級学校「オープン・スクール」ほかに訪問予定です。

Art & Culture TRIPS

 10月12日(土) 9:00-19:00(予定)

ナビゲーター:ロジャー・マクドナルド(AIT)ほか
ゲスト:堤隆(浅間縄文ミュージアム館長兼主任学芸員)
訪問先:フェンバーガーハウス、浅間縄文ミュージアム
定員:15名 *最小催行人数:13名
料金:¥16,000(税別)*コース生 ¥2,000引

ロジャー・マクドナルドのガイドのもと、縄文のアニミズムとアートとのつながり、絶滅を考えるユニークな1日ツアーです。長野県にある「浅間縄文ミュージアム」と「フェンバーガーハウス」を巡ります。

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