2018年12月13日

レポート:インターネットがひらくアート・ビジネスの可能性

コース:アート・パートナーズ
講師:塩野入弥生(Artsyゼネラルカウンセル)
日時:11月13日(火)19:00-21:00 場所:AITルーム(代官山)

 
 
“アート”と“テクノロジー”を掛け合わせると、一体どんなことが起こるのでしょうか? そして “アートビジネス”と“テクノロジー”を掛け合わせたら…? 今回はそんな 「アートビジネス×テクノロジー」の領域で活躍されている、塩野入弥生さんのお話を伺いました。

 
塩野入さんがゼネラルカウンセルをお務めになっている「Artsy」は、アーティストの作品をウェブ上で閲覧・購入可能にした、アートの新しい購入体験のプラットフォームです。元々は弁護士事務所に勤務されていたという塩野入さんがアートの世界に飛び込んだきっかけが、AITを通じて展覧会のボランティアをされたことだとうかがい、受講生のわたしたちも興味津々です。

 
レクチャーではまず、“テクノロジー×アート” の作品をいくつかご紹介いただき、ゴーグルを使って鑑賞するVRの作品を皆で体験しました。ネットに繋がり、アプリなどをダウンロードすると、海外の作品であっても、レクチャールーム内や自宅でも簡単に同じ体験ができてしまいます。

 
続いて、“テクノロジー×アートビジネス”の話へ。まず、インターネットの登場に伴い、アート界の既存のシステムの効率化を図るために、情報発信や作品売買プラットフォームをウェブ上で展開する様々なビジネスが誕生。現地のギャラリーやオークションハウスに足を運ばずとも作品の閲覧・購入が可能となり、2017年にはオンラインのアート市場は42億米国ドルにも広がっているそうです。

 
さらに近年では、新しいテクノロジーを駆使して既存のシステムを崩していく試みも立ち上がりつつあるといいます。例えば、ブロックチェーンの活用による作品保証やセカンダリーマーケットで作品の売買が行われた時にアーティストにその費用が還元できる仕組み、またコレクターによる作品の分割所有など、今までになかった作品との関わり方が生まれているそうです。レクチャーのなかでは、これらの新しいビジネスの個々の事例についてデータを交えて詳しく説明いただき、新しい市場の拡大を感じることができました。

 
アート界の既存のシステムが変化することで、作品の「ユニーク性」や作品を「所有する」ことなどの概念も変化していくのかもしれません。テクノロジーを通じて既存のシステムを変えていくことは、私たちの既存の価値観をも揺るがす可能性について考えさせられるレクチャーでした。

 
高砂理恵

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