昨今のグローバルな状況の中、海外による日本の現代アートの評価の在り方は、たとえば90年代からは変質したといえます。そのような状況下、キュレーターはどのように日本のアートを海外で紹介しようとしているのでしょうか。その際、展覧会のテーマやアーティストの決定はどのようになされているのでしょう。このレクチャーでは、海外でも様々な展覧会を手がけてきた保坂健二朗氏をゲストに招きます。モスクワとハイファ(イスラエル)での「ダブル・ヴィジョン展」、チューリヒやクラクフ(ポーランド)での「ロジカル・エモーション展」、ローマやロンドンでの「日本の住宅建築展」など実現した展覧会の他、ベネチア・ビエンナーレ日本館の展示プランなど実現しなかった案も紹介しながら、日本のアートの発信方法の可能性について、一緒に考えます。

講師

保坂健二朗(東京国立近代美術館主任研究員)

Photo by Keizo Kioku

1976年生まれ。慶應義塾大学大学院修士課程(美学美術史学)修了。担当した主な展覧会に、「The Japanese House: Architecture and Life after 1945」(ローマ国立21世紀美術館、2016年)、「Logical Emotion: Contemporary Art from Japan」(2014年、チューリヒ・ハウス・コンストルクティヴ美術館、クラクフ現代美術館他)、「フランシス・ベーコン」(2013年)、「Double Vision: Contemporary Art from Japan」(モスクワ近代美術館、ハイファ現代美術館、2012年)など。主な著書に、『キュレーターになる!アートを世に出す表現者』(住友文彦との共同監修、フィルムアート社、2009年)、『アール・ブリュット アート 日本』(監修、平凡社、2013年)など。滋賀県アール・ブリュットアドバイザーも務める。

ファシリテーター

ロジャー・マクドナルド(MADプログラム・ディレクター/AIT 副ディレクター)

東京生まれ。イギリスで教育を受ける。学士では、国際政治学。修士では、神秘宗教学(禅やサイケデリック文化研究)。博士号では、『アウトサイダー・アート』(1972年)の執筆者ロジャー・カーディナルに師事し美術史を学ぶ。1998年より、インディペンデント・キュレーターとして活動。「横浜トリエンナーレ2001」アシスタント・キュレーター、第一回「シンガポール・ビエンナーレ 2006」キュレーターを務める。2003年より国内外の美術大学にて非常勤講師として教鞭をとる。長野県佐久市に移住後、2013年に実験的なハウスミュージアム「フェンバーガーハウス」をオープン、館長を務める。また、国内初の英国式「チャトニー」(チャツネ)を生産・販売している。興味は美術史、絵画、変性意識状態、オーディオ鑑賞、踊り、山。AIT設立メンバーの一人。
TICKETS

レクチャータイトル:グローバルに考えるVol.1—論理的な情動—日本の現代アートについて


日時:19:00-21:00

場所:AITルーム(代官山)

定員:30 名

講師:保坂健二朗(東京国立近代美術館主任研究員)

受講料:¥3,900(税別)

備考:レクチャー終了後、ミニ・バーをオープン(21:00-21:30/有料)

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受講料:¥3,900(税別)


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