裸婦は、西洋絵画においては典型的な主題の一つです。ピカソと萬の作品を通して、二人のラディカルな人物像と、女性のフォルムを解体していく試みの足跡を辿っていきます。美術史的には最も古い主題ですが、二人は互いの時代と文脈の中でどうやってこれを「絵」に転換していったのか?特に萬のケースは、日本における絵画の歴史やヨーロッパに対するコンプレックスを深く検証し、実験的な挑戦をした制作であったといえます。キュビズムや表現主義を理解しながら、この二人のアーティストは何を目指して、何を私たちに伝えているのかを考えましょう。

・萬鉄五郎(1885−1927、日本)
東京美術学校(現・東京藝術大学)に入学。岸田劉生や高村光太郎らのを中心に集まった美術団体「フュウザン会」に参加。後期印象派やフォーヴィスム、キュビズムなど、ヨーロッパの近代美術の動向にいち早く反応し、新しい絵画表現を模索するなど、20年ほどのキャリアの中でさまざな画風を展開した。

・パブロ・ピカソ(1881−1973、スペイン)
美術教師の父の指導のもと、幼い頃から画才を発揮。ジョルジュ・ブラックとともに、キュビズムの創始者として知られ、20世紀絵画に革命を起こした。その生涯で一万点を超える油絵・デッサンを残し、10万点にも及ぶ版画、その他数百点の彫刻や陶芸作品を制作するなど、最も多作な美術家であると『ギネス世界記録』に認定されている。

講師

ロジャー・マクドナルド(MADプログラム・ディレクター/AIT 副ディレクター)

東京生まれ。イギリスで教育を受ける。学士では、国際政治学。修士では、神秘宗教学(禅やサイケデリック文化研究)。博士号では、『アウトサイダー・アート』(1972年)の執筆者ロジャー・カーディナルに師事し美術史を学ぶ。1998年より、インディペンデント・キュレーターとして活動。「横浜トリエンナーレ2001」アシスタント・キュレーター、第一回「シンガポール・ビエンナーレ 2006」キュレーターを務める。2003年より国内外の美術大学にて非常勤講師として教鞭をとる。長野県佐久市に移住後、2013年に実験的なハウスミュージアム「フェンバーガーハウス」をオープン、館長を務める。また、国内初の英国式「チャトニー」(チャツネ)を生産・販売している。興味は美術史、絵画、変性意識状態、オーディオ鑑賞、踊り、山。AIT設立メンバーの一人。
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レクチャータイトル:萬鉄五郎とパブロ・ピカソ


日時:5月9日(火)19:00-21:00

場所:AITルーム(代官山)

定員:30 名

講師:ロジャー・マクドナルド(MADプログラム・ディレクター/AIT 副ディレクター)

受講料:¥3,900(税別)

備考:レクチャー終了後、ミニ・バーをオープン(21:00-21:30/有料)

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